「更年期障害」は、7割以上が3か月以内で「自己判断」服薬中止、「高尿酸血症・痛風」は、最もジェネリック積極的など、20疾患別1年内受診者2万人の服薬実態を41設問で大解剖

2015年4月30日 [木]

QLifeは、過去1年間に医療機関で主要な20疾患のいずれかと診断ないし治療を受けた患者2万人を対象に、大規模なアドヒアランス(服薬遵守状況)実態調査を実施した。調査対象となった20疾患は、骨粗しょう症、脳血管疾患(脳卒中)、緑内障、逆流性食道炎、更年期障害、前立腺肥大症、椎間板ヘルニア、うつ、睡眠障害、禁煙、アトピー性皮膚炎、にきび、花粉症・アレルギー性鼻炎、喘息、高血圧症、高尿酸血症・痛風、脂質異常症、糖尿病、アルツハイマー型認知症、関節リウマチ。

調査内容は服薬継続・離脱の実態把握のほか、医師説明や疾患知識の有無でアドヒアランスはどう変化するのかなど、全41項目にわたる。ジェネリックの利用意向、お薬手帳の使用実態も含めている。調査回答者は、あえてQLife会員ではなく第3者(複数の大手ネットリサーチ会社登録会員)を利用した。

結果分析では、疾患ごとに詳細な実態確認を行ったほか、傾向を把握しやすくするため20疾患のうち禁煙を除く19疾患を、それぞれの特徴(自覚症状の有無、疾患の種類や患者の年代層など)ごとに「生活習慣病」「アレルギー」「うつ睡眠」「中高年」「高齢者」の5つのタイプに分類して整理した。各疾患タイプと該当疾患名は以下の通り。

【生活習慣病】 高血圧症、高尿酸血症・痛風、脂質異常症、糖尿病
【アレルギー】 アトピー性皮膚炎、にきび、花粉症・アレルギー性鼻炎、喘息
【睡眠うつ】 睡眠障害、うつ
【中高年】 逆流性食道炎、更年期障害、前立腺肥大症、椎間板ヘルニア
【高齢者】アルツハイマー型認知症、関節リウマチ、骨粗しょう症、脳血管疾患(脳卒中)、緑内障

主な調査結果は医療者専門サイト『QLifePro』の『研究報告』コーナーで見ることができる。
こちら⇒ http://reports.qlifepro.com/

本調査で判明した、特に印象的な内容を以下に記す。

◆経時的 服薬継続率

治療時間が経過するにつれて「どの程度のスピードで服薬継続者が減るか」を、疾患タイプ別にみた。すべてのタイプにおいて、患者の半数以上が、治療6か月内に薬をやめている。特に「中高年」タイプでは、治療開始3か月以内に86.5%の患者が服薬を中止している。

◆医師説明有無別 順守率

「高齢者」「生活習慣病」タイプでは医師が処方時に薬剤選択理由を説明したか否かによるアドヒアランスの差異は小さく、医師の処方そのものへの信頼が高いことがうかがえる。一方、「中高年」「アレルギー」タイプでは、医師が説明することで服薬順守率がそれぞれ5.0%、4.2%上昇。「どうしてその薬を選ぶか」についての納得感がアドヒアランスに影響することが分かった。

◆ジェネリック利用意向

ジェネリックを「積極的に利用したい」とする患者割合を、疾患タイプ別にみると、「生活習慣病」が一番高く、「高齢者」が一番低い。疾患名別にみると、ジェネリック利用意向が最も高かったのは「高尿酸血症・痛風」で69.6%だった。

◆お薬手帳使用実態

お薬手帳を「毎回、ほぼ持っていく」とする患者割合を疾患タイプ別にみると、「睡眠うつ」が一番高く、「アレルギー」が一番低い。

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