発声困難患者との5手法の対話アプリ(2つの現場業務用ツール付)を無料提供開始~「手書き(自動文字認識)」「50音表」「よくある症状・場面から」など多機能で 「声かけチェック」機能や「鎮静・鎮痛・せん妄評価スケール」も内包~

2013年5月23日 [木]

QLifeは、ホスピーラ・ジャパン株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:佐伯広幸)と共同開発した医療者のための患者コミュニケーション・アプリ『ICU POINTALK』(読み:“アイシーユー・ポイントーク”)の提供を始めた。

ICU POINTALKは、東京女子医科大学病院の心臓ICUなどで実際に使われている医療者向けアプリで、iPad上で動作する。手術や呼吸不全などで挿管中、気切中のために発声できない患者さんや、神経疾患や脳卒中などの後遺症などにより会話が不自由な患者さんとのコミュニケーションを容易にするツール。従来は、患者さんが医療者の手のひらに指で1文字ずつ文字を書いたり、紙で作成した「50音順文字盤」の文字を「み・ぎ・の・あ・し・が・い・た・い」などと一語ずつ指で指し示したりすることにより憶測を交えてコミュニケーションをしていたが、この方法では時間がかかり、「言いたいことが伝わらない」「何を言いたいかわからない」といったコミュニケーション障害により、患者さん・医療者の双方のストレスや不安を増大させることがあった。

このほど開発されたICU POINTALKは、iPadのインタラクティブ性を活かした「手書き入力(自動文字認識)」「50音表」「よくある症状・場面」など複数のコミュニケーション手法が用意されており、iPad上で患者さん自身の能力や状況に応じて最適な入力方法を選ぶことができる。また、高齢者でもすぐに使えるよう、直感的にわかりやすく、文字は大きくはっきりと表示されるため、高齢者施設、在宅介護などでも活躍する。

昨今、集中治療室(ICU)などの医療現場では、麻酔(鎮静薬)で患者さんの意識レベルを落とし過ぎるのではなく、むしろ浅い鎮静状態を保つ「ライト・セデーション」の方が良い治療成果に繋がる可能性があると考えられ始めている。ライト・セデーションにおいては、患者さんの状態を把握するための意思疎通がより重要となるため、発声がしにくい患者さんとのコミュニケーションを支援するツールが求められている。また「コミュニケーション促進によるストレスや不安の軽減で、鎮静薬の投与量が適正にコントロールしやすくなる」という相乗的なメリットの可能性にも関係者は期待している。

アプリは無料で、以下からダウンロードできる(※iPad専用。使用には医療者認証登録が必要)
https://itunes.apple.com/jp/app/icu-pointalk/id599519163?mt=8

【アプリの特徴、利用メリット】

■ 5つの会話方法から、患者さん自身が、選択できる
「手書き入力(自動文字認識)」「50音表」「ホワイトボード」「気になる部位・場所・モノから」「気になる症状・感覚から」の5つの方法が用意されており、患者さんの能力差(鎮静度、視力、運動能力)や、会話内容に従って、最適な方法を選べる。これにより発声できない患者さんに対して、症状を推測して首ふりで答えてもらうようなクローズド・クエスチョンではなく、オープン・クエスチョンによる自発的なコミュニケーションが可能になる。
■ 「声かけチェック」機能付き
「今日は何月何日ですか?」「今の時間帯はわかりますか?」など医療者が患者さんに声かけをする際によく質問することを、画面で大きく表示し、患者さんが答えを選択できる機能が付いている。痛みや不安がないかなどもチェックできる。チェックした履歴は画面上で確認できるほか、iTunes経由でcsvファイル形式で取り出すこともできる。
■ 医療現場で実際に使われている
東京女子医科大学・心臓血管外科・立石実先生が監修した。東京女子医科大学病院の心臓ICUでも実際に使われているアプリである。
■ 「鎮静・鎮痛・せん妄評価スケール」付き
鎮静スケール(RASS、SAS)、鎮痛スケール(BPS、FS)、せん妄評価スケール(CAM-ICU、ICDS)と6つのスケールが、参照用として付いている。この部分は、医療法人・行岡医学研究会・行岡病院・副院長・行岡秀和先生の監修。

▼ICU POINTALK

https://itunes.apple.com/jp/app/icu-pointalk/id599519163?mt=8

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