代表挨拶

可知健太(かち・けんた)

21世紀の幕開けから四半世紀が過ぎ、私たちの暮らしは大きく変化しました。特に医療分野においては、画期的な治療法が次々と登場し、かつては考えられなかったほどの多様な選択肢が生まれています。同時に、情報技術の目覚ましい発展は、誰もが瞬時に医療情報にアクセスできる環境をもたらしました。

しかし、この豊かな選択肢と情報の洪水は、新たな課題も生み出しています。医療者と患者さんの間にある情報量の差は依然として大きく、最適な治療法を共に選び取る(Shared Decision Making)上での障壁となることがあります。また、インターネット上には玉石混淆の情報が溢れ、その真偽を見極めることは容易ではありません。結果として、多くの患者さんが「自ら納得し、最善の治療を選択する」という、当然の権利を行使することが難しい状況に置かれています。

「自ら納得し、最善の治療を選択する」とは、まず適切な医療機関・診療科を見つけ出すことから始まります。そして、医療者と患者さんが対等な立場で情報を共有し、共に治療方針を決定していくプロセスそのものです。このプロセスがうまくいかなければ、適切な医療にたどり着けずに時間を要したり、十分に納得できないまま治療が進んでしまったり、あるいは誤った情報に惑わされ、かえって健康を損なうといった事態にもなりかねません。

現代の医療において、正しい情報を取捨選択し、活用していく「医療リテラシー」は、患者さん自身にとっても不可欠な要素となっています。まさに、治療を受けるということは「情報と向き合う」ことでもあるのです。

私たちQLifeは、2006年の創業以来、医療総合サイト『QLife』を基盤とし、患者さんの視点に立った信頼性の高い情報提供に努めてまいりました。医療情報プロバイダーとしての草分け的存在として、20年近くにわたり培ってきたメディカルマーケティングの知見とノウハウには、確かな実績と自負があります。

私たちは、この強みを最大限に活かし、患者さん一人ひとりが「自ら納得し、最善の治療を選択できる」社会の実現に貢献してまいります。医療を取り巻く環境がどのように変化しようとも、常に患者さんの側に立ち、信頼できる羅針盤であり続けることをお約束いたします。

今後とも、QLifeにご期待くださいますよう、心よりお願い申し上げます。

代表取締役 可知健太

可知健太(かち・けんた)

医薬品臨床開発職時に医薬品開発のボトルネックは被験者登録であると考え、2014年に株式会社クロエ(現3Hメディソリューション株式会社)に参画。2015年にがん情報サイト「オンコロ」を、2017年に希少疾患情報サイト「RareS.」を立ち上げ、がんおよび希少疾患の治験情報清流化に従事。2018年よりヘルステック分野に関心を持ちePROシステム「3H P-Guardian」等の事業計画・開発統括を行う。2022年より3Hメディソリューション株式会社がエムスリーグループ傘下となるに伴い、エムスリーグループ内の患者向け事業にも従事。2025年より株式会社QLifeの代表取締役を務める。(3Hメディソリューション株式会社 取締役兼務)