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プロフィール
山内善行(やまうち・よしゆき)
株式会社QLife代表取締役
株式会社カレン顧問
1965年生まれ、東京大学工学部都市工学科卒。ボストンの都市計画・商業施設開発コンサル会社を経て、1994年に株式会社カレンを設立、代表取締役に就任。2006年にカレン会長に就任、株式会社QLifeを設立する。
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2010
このブログに『うつ病の患者数が増えた理由は、薬?啓発?』という記事を書いてから、ベストセラー『なぜうつ病の人が増えたのか』を著した精神科医・冨高辰一郎先生とのセッションが始まりました。
私は先生の説に、感覚的に納得しました。疾患啓発情報が、潜在患者層の受診を進めたという全体的メリットの陰で、「現代型うつ病」を増やしてしまった可能性がある、という内容です。それなら、「疾患啓発にかかわるQLifeの社長としては、何かしなければならない」と思いました。それで、先生に教えを乞いました。
患者さんは様々な情報に、励まされたり迷/惑わされたりしながら、医療機関を受診・通院し続けます。すぐ治らない病気ではなおさらです。その良し悪しを議論しても意味はありません。現代の情報社会では当然&自然のことですから。
では、巷に溢れる情報に、うつ病患者(の受療行動)はどんな影響を受けているのか?これを知る第一歩として、「自分の病気や医療機関での治療を、患者自身はどう捉えているか」を調査することにしました。特に、病状の回復/未回復と医療行為との因果関係について、患者のリアルな意識を把握できたら、それは医療者にとっても、診療品質を向上させる材料になると考えたわけです。
うつ病患者1000名(回復群500名、未回復群500名)へのアンケート。設問は主として、1)精神科受診への抵抗の有無、2)受診前のうつ病の予測の有無、3)うつ病診断への疑問、4)薬物療法への疑問の有無、5)回復群から見たうつ病の回復のきっかけ、6)未回復群から見た回復しない要因、です。
興味深い結果がいくつも出ました。


なかでも、「退職・転職など大きな環境変化」が「うつ病回復のきっかけ」、と答えた人が1割以上いたことに、驚きました。「大きな決断はしちゃいけない」と医師(や巷の啓発情報)から指導されている患者さんが多いはずなのに、その教えを破り、かつそれで回復した人が1割以上いたのです。
だからといって、「大きな環境変化が効くぞ」とは言えませんし、まして「環境変化で、うつ病を治そう!」なんて言えません。なぜなら、
●「退職したら、病状悪化した」という逆の人もいる可能性(注:ただし、未回復群からの「回復しない理由」の自由回答欄に大きな環境変化を挙げる人はほとんどなかった)
●「環境変化を起こせる病状/性格の人」だから変化を起こしたのだし、そういう人はもともと回復しやすかったという可能性(注:ただし、「“現代型うつ病”ではないかと思った」と「環境変化で回復した」との間に相関はなかった)
などがあるからです。
「うつ病」が多様化している今は、「どの患者さんにも共通して有効な指導内容・治療法」は、少なくなっていることでしょう。患者・医師の主観に診断が左右されがちな病気で、かつ長期化しやすい病気ですから・・・医療者も患者も迷い・疑いながら治療を続けている様子が、今回の調査で浮かび上がりました。(注:ただし「迷うことは、健全な医療の姿」と考えます)
★調査結果の詳細は、QLifeSQUAREのこちらの記事より
★調査報告書(PDFファイル)も、自由にダウンロードできます
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