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山内善行(やまうち・よしゆき)
株式会社QLife代表取締役
株式会社カレン顧問
1965年生まれ、東京大学工学部都市工学科卒。ボストンの都市計画・商業施設開発コンサル会社を経て、1994年に株式会社カレンを設立、代表取締役に就任。2006年にカレン会長に就任、株式会社QLifeを設立する。
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2010

教科書の厚さが4割増になって、教師は大喜び、して欲しい理由

投稿日:2010.04.02 10:31 | カテゴリー:政治経済
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この件、当然ですが、世のお父さん・お母さん方の関心は高いようです。「国の政策転換で、現場が混乱・迷惑している」という報道がされがちですが、こういう時に大事なのは、“変化を前向き利用してやろう”というメンタルを持つこと。

なぜなら教育制度はそう簡単にコロコロ変えられないわけですから、好むと好まざるとに関わらず、最低5年間は、この路線で進みます。その現実は、変えられない。そして「5年間」の間にも、現場には子供達がいるわけで、大人はその子達をあくまで前向きに勇気づける責任があります。

今回の「教科書改革」「ゆとり教育からの転換」で私が思ったことは、以下の二つ。

▼「教科書」の概念が変わる、「教師」のイメージも変わる
内容が増えると全部は教えられないので、教師は取捨選択をして教えるようになります。教科書は随分と“ゆるい”存在になり、「教科書的な」という言い回しも消えます。参考書との区別もなくなります。すると当然、生徒が学ぶ対象は「教科書」よりも「教師」に比重が移ります。教師は、やりがいと責任が大きくなり、子供達との関係性も強まるはずです。教師の皆さんには、自分の裁量が広がることを、是非「大喜び」してもらいたいものです。

▼「ゆとり教育」トライアルを卑下するな
今回の教科書改革を、「ゆとり教育の敗北宣言」と言う人がいます。でも私は、文部科学省や当時の政治家達の「壮大な社会実験」の勇気を評価したい。そもそも過去を「失敗だった」とは片づけない。これから日本を背負う人達に「あなた達は失敗教育を受けた世代ね」なんて言いたくないでしょう。

かくいう私も、ブログ上で小学校教育を批判していました。息子の担任教師宛に「出す宿題がおかしい」と出した手紙を全文公開したことさえありました。でもね、方向転換したからには、過去の試行錯誤は全て前向きエネルギーに変えていきたい。「ゆとり」哲学自体は悪いことではなかった。社会ニーズ、保護者の心理、私立学校の存在、教育産業の動きなども含めた大きな設計・実行がなかった。教育現場は、もはや現場だけでは狙ったように変われない時代になっていたのに、ということです。その学びは大きい。「ゆとり教育=失敗」なんて安易に片付けると、日本がますます、社会変革にオクテな国になってしまいます。

米国では、ついにオバマ大統領が医療制度改革にこぎつけました。英国の医療制度改革も果敢でした(参考記事→英国の医療復活の軌跡『公平・無料・国営を貫く英国の医療改革』)。日本でも、医療や介護面の制度変革を、前向きに始めるタイミングが近づいてきていると思います。

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