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山内善行(やまうち・よしゆき)
株式会社QLife代表取締役
株式会社カレン顧問
1965年生まれ、東京大学工学部都市工学科卒。ボストンの都市計画・商業施設開発コンサル会社を経て、1994年に株式会社カレンを設立、代表取締役に就任。2006年にカレン会長に就任、株式会社QLifeを設立する。
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2010

結局シンプルに「幸せ」を追求する名作戦争マンガ、坂口尚の『石の花』

投稿日:2010.02.07 10:18 | カテゴリー:メッセージング
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石の花 (1) (講談社漫画文庫)当社のCOO、藤田から借りたマンガ『石の花』を読んだ。坂口尚さんという、若くして亡くなった、手塚治虫氏の弟子作家が描いたもの。全部で5巻あるが、最後の5巻目でグッと絵が格好よくなる(ように、私には見えた)。

第二次世界大戦時の、ナチス・ドイツの侵攻を受けたユーゴスラビアが舞台。クリロという少年とフィーという少女が、生と死の極限状態をそれぞれ別々に生き抜く物語。戦争終結を迎えて、最後に二人は再開する。でもストーリーは全くロマンチックではない。

中国の戦争マンガ『三国志』『水滸伝』も、いとも簡単に、大量の人間が殺してしまうが、この第2次世界大戦マンガでもそれは同じ。延々と続く強制収容所での描写や、パルチザン(対独抵抗ゲリラ活動)内紛の描写は、正直、読んでいてうんざり来る。

本当は、グッと絵がよくなる5巻で、もう少し人間ドラマに厚みが出ると面白いんだけどなー。ドイツ軍が劣勢になってからパルチザン制圧まで一気にはしょっている。謎めいた金塊や、必ずしも民族主義ではないドイツの大佐とか、いろいろ伏線があるのに、それらの結末もはしょってしまっている。

うーむ。著者の坂口さんは、途中で心変わりして、ヒューマンドラマやSFチックな面白みを全部排除したんじゃないか。「戦争の意味」だけを読者に突きつけるために。

戦火のなかでも、主人公クリロはシンプルな疑問「人を殺していいの?」を問い続ける。大人から「目の前で肉親を殺されている現実を見ろ」と言われ、イデオロギーのぶつかり合いに巻き込まれつつも、結局はとてもシンプルに「幸せ」を追求する。

表層では難解なロジックや激しい感情や金や人間の本性が絡み合っているけれども、中核ではシンプルな問いだけが存在する点は・・・医療にも通ずるところがある。

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